湯の印象 B 秘境度 2
『日和佐が誇るキッチュなお城』
美波町とそれらしく名前を変えてNHK朝の連続ドラマ小説『ウェルかめ』の舞台となった旧日和佐町であるが、四国で生まれ育った我々にとっては四国霊場23番厄除けの寺『薬王寺』がある限り「日和佐」はあくまでも「日和佐」である。
その宿坊跡に最近できたのが『薬王寺温泉』。この隣には以前は今は当温泉88箇所の番外札所(名湯ながら惜しむらくも閉館した温泉)になっている『ホテル千羽温泉』があり、そこの源泉を利用しているらしい。新築の温泉らしく施設も清潔で使いやすくはなったが、その分風情はなくなった。しかし今でも依然として四国霊場歩き遍路の人々に一服の休息をもたらすお湯の場であることには間違いない。
この温泉から海の方向、日和佐の町のいたるところから見える高台に立派な天守閣が見える。はて日和佐は城下町だったんだっけ?登ってみると立派な駐車場と写真のような『日和佐城』の表示板。しかしてお城の入り口から中を覗くと上に展望室があるものの、中はどうやら会議室のような施設。入り口横のプレートには『日和佐勤労者野外活動施設』と記されている。なんとここは「ぱっちもんの天守閣」。(笑) 確かに日和佐には室町時代に城らしきものがあったと文献にはあるようだが、図面はもちろんはたして天守閣があったのかどうかも不明。にも関わらず公営施設を「勝手に」天守閣に模して造り、しかもいけしゃあしゃあと「日和佐城」と明示しているあつかましさ。(再笑)ちなみにGoogleマップにも「日和佐城」と出ていた。知らない観光客は日和佐は立派な城下町だったと思いこむに違いない。 しかしここまでやれば逆に褒めてあげたい。実際にあった天守閣を再興しようと文科省としのぎを削っている地方自治体は見習うように。(再々笑)
そうそう、ばっちもんといえば香川県にも『朝日山公園』なる山頂に『朝日山城』天守閣がある。ここは天守閣内に入ると「近所で獲れたイタチの剥製」などが平気で飾ってあるのだが、さすがにGoogleマップにまでは載せてはないぞ。(笑)→参照 『四国酒蔵88箇所第80番札所 金陵八幡蔵』の穴場情報
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「薬王寺南となりの参拝者用駐車場にある 昔は宿坊だったらしい」
薬王寺南となりの参拝者用駐車場にある 昔は宿坊だったらしい
「正面入り口」
正面入り口
「建物の構造上 うなぎの寝床のような浴場だが案外と合理的で使いやすい」
建物の構造上 うなぎの寝床のような浴場だが案外と合理的で使いやすい
「丁寧に『日和佐城』の看板まで上がっているが実は・・・。(画像をクリックすると拡大します)」
丁寧に『日和佐城』の看板まで上がっているが実は・・・。(画像をクリックすると拡大します)
「本当の正式名称は・・・。」
本当の正式名称は・・・。
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