湯の印象 A 秘境度 4
『現代社会での陸の孤島』
四国は狭いので、高山の山頂にでも秘境といわれる集落にでも電波が届く。特にDOCOMOになると谷底や山かげ以外はほぼ全域カバーに近く、山歩きをする人にとっては昔は携帯無線機、今は携帯電話が必携装備となっている。がしかし、そんな四国でも未だに電波の孤島は存在する。
『畑山温泉』は安芸市の山奥、県道のどん詰まりである。街中から安芸川を遡り、途中、山以外にはなんにもない道を約1時間弱の隠れ里にある。かくいう私も数年前に奥物部の林道を彷徨っていて、たまたまこの温泉にたどりついたのが最初である。ただし意外に県外にファンも多い。土日にこの県道を走っている県外ナンバーは100パーセントこの温泉目当てといえる。
温泉88箇所で唯一といえるこの温泉の特徴は前述のように携帯電話の電波がまったく届かないということである。安芸方面に車で20分は走らないとアンテナは立たない。不便なこと極まりないが、考えてみればこれこそ日常からまったく隔絶された環境でもある。連絡がとれない以上、下界で何が起ころうが心配する余地も必要もない。すべてにおいて「シュレーディンガーの猫状態」。核戦争で人類が滅亡していても町に下りて見なければわからない(笑)。現代社会においてストレスから開放されるとはこのようなことをいうのであろう。電話やメールをあきらめて、お湯につかって日なが一日のんびりするのは、携帯を肌身離さず持っている今の日本人にとっての最高の贅沢かもわからない。
http://www.tosajiro.com/onsen.html
近隣のスポット 『四国酒蔵88箇所24番 菊水酒造』
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「フロント横の貼り紙。クリックして拡大してくれ、こういう場所である。(笑)」
フロント横の貼り紙。クリックして拡大してくれ、こういう場所である。(笑)
「外はのどかな田園風景であるが、実は安芸の最深部。県道216号線はここから林道となり山を越えて奥物部に通じる。」
外はのどかな田園風景であるが、実は安芸の最深部。県道216号線はここから林道となり山を越えて奥物部に通じる。
「山の中になんの脈絡もなく、ただ温泉がぽつんとあるだけ。」
山の中になんの脈絡もなく、ただ温泉がぽつんとあるだけ。
「世俗を忘れてのんびりできすぎる環境である。」
世俗を忘れてのんびりできすぎる環境である。
「ロッカーに鍵は不要。盗人もさすがにここまではこない。」
ロッカーに鍵は不要。盗人もさすがにここまではこない。
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