湯の印象 C 秘境度 3
『真冬のクーラー、真夏の焚き火』
『吾北むささび温泉』の名前の由来の「むささび」とは、木から木へと滑空する獣の「ムササビ」と、数字の「633」を掛け合わせたものである。「633」とは国道194号線と439号線の数字を足したもので、この「ムササビ」の形をした高知県吾北地区を走る2本の国道が重走していることを表わした、説明にこんなに字数を要する(笑)当地区の愛称である。なお、国道を数キロ北の道の駅『633美(むささび)の里』と混同して、そこの産直市場にお風呂セットを持って入場する人がたまにいるが、それは私のことではない。(笑)
吾北地区は北に西日本最高峰の石鎚山、西に四国カルスト、東に早明浦ダム、南に仁淀川中流というまさに山奥の土地である。集落は地区を流れる幾多の川の谷あいにぽつんぽつんと集まっている。鉄道もなくバスは一日に何本という不便な地域。必然的に移動は自家用車と徒歩である。学校に通うにも農協に買い物に行くにも、時には隣の家に遊びに行くにも、長い長い山道を上り下りしなければならない。普通に考えればここいらに暮らす人たちは都会の人たちと比べ物にならないくらい足腰も強靭で健脚ぞろいである。
『むささび温泉』はその山間に住む皆さんの憩いの場である。浴室でも、おなじみさん同士の井戸端会議に花が咲いている。しかしロビーに入ってまず眼に飛び込むのは、館内の驚くほど立派なジム施設である。エアロバイクがルームランナー(死語ですか?)が、整然と列を成して並んでいる。・・・が、そんな土地に暮らしていて何キロも山道を歩いてやっと着く街中の温泉、ここでわざわざ自転車もどきを漕いだりベルトコンベアーの上で数キロ歩くよりもよりも、家からの行き帰りの方がもっともっと有酸素運動になっているのではないんだろうか(笑)。ついでにいうと館内には立派なプールを持つが、写真のように温泉の裏の清流では近所の家族が楽しそうに泳いでいる。なんとも、北極で氷屋さんが、お菓子の国でケーキ屋さんが店を出しているようにしか見えないのは私だけか?(笑) 近くのスポット 『四国堰堤88箇所33番 大森川ダム』
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「5キロほど重なって走る国道439号線が194号線と再び分岐する三叉路の橋のたもとに、かなり控え目に(笑)設置された案内板。」
5キロほど重なって走る国道439号線が194号線と再び分岐する三叉路の橋のたもとに、かなり控え目に(笑)設置された案内板。
「温泉の裏を流れる仁淀川の支流は川遊びスポット(画面をクリックすると拡大します)」
温泉の裏を流れる仁淀川の支流は川遊びスポット(画面をクリックすると拡大します)
「どこかの役場のあとのよう・・・というより、どう見てもそうに違いない温泉施設」
どこかの役場のあとのよう・・・というより、どう見てもそうに違いない温泉施設
「温泉内の立派なジム」
温泉内の立派なジム
「プールまで併設」
プールまで併設
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