湯の印象 B 秘境度 4
『芸能人お忍びの湯』
全国に名高い国道(酷道)439号線は、徳島市にスタートして四国を袈裟懸けに横断し、その最終区間を旧大正町より最大の難所のひとつに数えられる杓子峠を越えて旧中村市に到達する。この区間の葛籠川を挟んで北の谷にあるのが一の又渓谷であるのだが、こんな辺鄙な場所に川を跨いでレトロな造りで建てられているのがこの『一位荘』なる温泉旅館であり、いったい何故こんな場所にこんなモダンなものを造ったのかは定かではない。実は兄弟サイトである『四国酒蔵88箇所巡礼』の49番札所である「ダバダ火振栗焼酎」で有名な大正町の『無手無冠酒造』の妹さんが経営されているということであるが、その酔狂さいや違った(笑)「いとおかし」の趣は言われてみれば共通するところがある。
何よりもこの建物が最大の見所である。おそらくはもともとの和風旅館に洋館を建て増したものであろう。鎌倉の山の手なんかにある別荘である。しかし、場所が場所なだけに、なんていうか、そう「名探偵コ●ン」などの推理映画なんぞで、嵐の夜に遺産相続人が山中の別荘に集められて、一人、又一人といなくなっていく、ほら、あれのあのまんまの趣の館である。・・・書きながら自分の表現力の乏しさに情けなくなってくるが勘弁してくれ(笑)。
四国の温泉宿としてはあまりにも異次元であるが、レトロチックな洋館の川沿いの露天風呂は都会の人にとっての「秘湯」のイメージにぴったりであるのも頷ける。有名俳優や有名ミュージシャンのお忍びデートの温泉として一部業界では有名という噂であるが、フロントにあれだけいっぱいのサインつき写真を飾ってあっては、本人たちにとってはあんまり「お忍び」にはなってないと思うぞ。(笑)
近くのスポット 『四国酒蔵88箇所42番 無手無冠』 『四国酒蔵88箇所43番 藤娘』 『四国堰堤88箇所39番 津賀ダム』
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「温泉入り口。まるで何かのお堂の境内の入り口であり、ここが温泉であるとは誰も思わない。」
温泉入り口。まるで何かのお堂の境内の入り口であり、ここが温泉であるとは誰も思わない。
「川へと降りていくと旅館の入り口がある。」
川へと降りていくと旅館の入り口がある。
「葛籠川を跨ぐように立てられた温泉宿である。夏は緑に覆われている。」
葛籠川を跨ぐように立てられた温泉宿である。夏は緑に覆われている。
「川に張り出したまさにテラスは湯上りの一服に最適。」
川に張り出したまさにテラスは湯上りの一服に最適。
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