湯の印象 A 秘境度 3
『シングルユース温泉』
須崎市から四万十川源流付近を抜け佐多岬へと続く国道197号線。昔は197(イクナ)酷道と呼ばれた時期もあったが、今は山を縫って走るハイウェイである。その国道を須崎市街地から10分ほど走ると道端に『山里温泉』の屋外広告板が出てくる。そこから少しで県道317号線三叉路に前より控え目な案内板が、さらに進むと、もっとささやかなプチ案内板が、そしてしまいには「→」だけになってしまう。(笑) 温泉はなかなか立派な建物。しかしそこは受付フロントとロビーがあるだけで、温泉施設はさらに建物脇の小道に沿って3分ほど歩かねばならない。
いわゆる屋根と壁がついた露天であり湯船の大きさはせいぜい2人、洗い場は申し訳程度に1人分。物置棚があるだけの脱衣所を足しても、温泉施設というより一般家庭の風呂場である。ここまで来て初めて本来のコンセプトがわかるのだが、ここはお一人様専用の温泉である。いわば温泉のシングルユース。うららかな陽光の中で川のせせらぎをききながら、誰に気を遣うことも無く一人っきりでのんびりとお湯につかって時間を過ぎるのを楽しむのが、ここの本来の醍醐味であろう。湯上りにフロントに戻ると冷たい柚子ジュースと茶菓子を出してくれる。
週末は順番待ちになるので5人ほどで貸切にしてくれるというが、ここに5人は窮屈すぎ。ひとけのない平日にひとけのない時間を狙って一人で訪れるべきである。その意味ではあんまり人に教えたくないけど人が来ないと温泉自体がなくなるし・・・う〜む、なんとも複雑なところではある。(笑)
http://www.mantentosa.com/shop/service/mshop802/index.shtml
近くのスポット 『四国酒蔵88箇所39番 葉山の蔵』 『四国酒蔵88箇所40番 純平』
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「温泉宿舎。ただこれは受付けである。」
温泉宿舎。ただこれは受付けである。
「温泉本体。川沿いの手作りの納屋である。」
温泉本体。川沿いの手作りの納屋である。
「湯船は石造り。窓を開くとそのまま露天。外には依包川の支流が流れる。」
湯船は石造り。窓を開くとそのまま露天。外には依包川の支流が流れる。
「洗い場は一人用個室。」
洗い場は一人用個室。
「湯温の調節はパイプの栓を開閉する。まさに手作り。(画像をクリックすると拡大します)」
湯温の調節はパイプの栓を開閉する。まさに手作り。(画像をクリックすると拡大します)
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