湯の印象 A 秘境度 1
『デザイナーズ温泉』
本来は町中の「ぽかぽか温泉」のように立派な大規模施設は、趣旨を異にするために対象としていないのであるが、ことここだけは別である。というのも 普通の温泉とは明らかに違っている。
そのひとつが高松市内でもなぜかお湯の質がまったくここだけ別であるという評判が高いこと。井戸掘り委員のアスリートT社長によれば、この仏生山地区の地下には大きな空洞(クレーター)が確かに存在し、そこに溜まっている地下水だけがどういう理由か異質であるということだそうな。そういえば一昔前の高松渇水の際にも仏生山クレーターの地下水を緊急の用水として利用してはどうかとの意見が一部の学識経験者から提案されていたはずである。人それぞれに湯の質が合うか合わないかは別として、なにはともあれ、その水を使っている温泉である。
もうひとつ、この温泉を異質たらしめているのはその造作である。アートを強く意識した内外装は、下町の住宅地の中でここだけがまるで美術館のような雰囲気を醸し出していて、どちらかというと都会からの人が気に入るような温泉である。また浴槽も大浴場のほかに炭酸性低温浴槽や低温サウナ等の他とは趣の変わった提供の仕方をしている。かなり差別化をはかった温泉といえよう。
よく整備されていて、この風情なら高額の隠れ宿やオーベルジュにも出来たであろうが、そこを敢えて我々のような地元の一般客が気軽に入れる日帰り温泉に特化している心意気がすばらしい。その志とポリシーを買って札所に選定した次第である。
近くのスポット 『四国酒蔵88箇所85番 香龍』 『四国堰堤88箇所82番 神内上池』
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「玄関からして美術館のような風貌である。」
玄関からして美術館のような風貌である。
「ロビーもどこかの美術館の喫茶店のような雰囲気である。」
ロビーもどこかの美術館の喫茶店のような雰囲気である。
「浴場は大人が横に足を伸ばしてちょうどのサイズで機能美がある。」
浴場は大人が横に足を伸ばしてちょうどのサイズで機能美がある。
「露天は映画セットに使うエイジング(経年加工)がほどこされている。」
露天は映画セットに使うエイジング(経年加工)がほどこされている。
「足元からの低温サウナ。オンドルのようである。」
足元からの低温サウナ。オンドルのようである。
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