湯の印象 S 秘境度 2
『聖地!!』
伊野町の役場からすぐに清流仁淀川が町を二分するように流れている。その仁淀川のほとりを走る県道39号線から、わかりにくい看板を右折して田園地帯に入ると、田んぼの中に「ここを知っている人だけ来ればよい」然と建っている古温泉である。まさにそのとおり、ここは温泉ファンの中でも「四国一」の呼び声が高い、町中の秘湯である。弘法大師の時代からの温泉というのは、四国の中では定番のキャッチフレーズ。さすがな弘法大師もそんなにあちこちに出没して温泉を掘っていたのではとても身が持たないと思うのだが、この温泉に限っては、ひょっとするとそれもアリかと思わせるだけの怪しさが漂っている。付随設備の豪華さやおもてなしのソフトにはまったく気を遣わなくとも、お湯だけで人を集めているストレートな温泉のお手本。そもそも私がこういったガチンコな温泉を巡ろうと思い立つきっかけとなった温泉でもある。
受付のおばさんに言わせると「昔はもっとお湯が濃かった」ということだが、今でも少し長く入浴すると疲れるような湯質である。入浴している人はどこの誰とも推論ができないほど千差万別、犬が混じって入浴していても気がつかない(笑)否、気にならないほどのディープモード。あえて表現するならば『つげ義春』の劇画の世界が現実になったような温泉である。
最近は少しづつ県外の一般人の知るところにもなってきたようだが、間違っても世俗にまみれた安直なリニューアルとかしないで欲しい。願わくば四国にこの種の温泉が一軒でも多く少しでも長く続いてくれることを、自分勝手で祈っているのが、われわれ委員会の想いとするところである。
近くのスポット 『四国酒蔵88箇所36番 亀泉』 『四国酒蔵88箇所37番 瀧嵐』 『四国酒蔵88箇所38番 司牡丹』
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「いかにもガチンコ温泉らしい空気をまとう建物」
いかにもガチンコ温泉らしい空気をまとう建物
「なんとも高知らしい手加減のない看板。(画像をクリックすると拡大します) ここを渡って左折すると突き当たり。」
なんとも高知らしい手加減のない看板。(画像をクリックすると拡大します) ここを渡って左折すると突き当たり。
「窓も無く、薄明かりと湯煙とで怪しさいっぱい 隣の人の表情も見えない。」
窓も無く、薄明かりと湯煙とで怪しさいっぱい 隣の人の表情も見えない。
「よくよく見ると、きちんと番号で管理されているロッカールーム(笑) (画像はクリックすると拡大します)」
よくよく見ると、きちんと番号で管理されているロッカールーム(笑) (画像はクリックすると拡大します)
「ロビーと右側には食堂。I染副主幹によると、定食は絶品とのことだったが、今は調理のおばさんが体調不良でやってないとのことだった。」
ロビーと右側には食堂。I染副主幹によると、定食は絶品とのことだったが、今は調理のおばさんが体調不良でやってないとのことだった。
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