湯の印象 S→B 秘境度 4
『ここを知らずに伊予の湯を語るなかれ』
標高1982m西日本最高峰を誇る石鎚山は山岳信仰を集める霊峰でもある。その西条側からの登頂ハードコースの登山口であり、役の行者が中腹に開いた『成就(じょうじゅ)社』からの一般登山道入口への渡しを担う石鎚山ロープウェイの乗り場でもある、昔からある門前の旅館街兼お土産屋街。今はもう数軒も営業していない鄙びた町で未だに登山客の足を癒す宿となっているのが、この京屋旅館である。
登山客相手の旅館業とは別に、ロープウェイ客には食堂とお土産屋と駐車場の提供を主な生業としているが、ここは知る人ぞ知る石鎚の霊湯。湯の花が咲く四国では珍しい白濁の湯である。西条市から加茂川を遡り石鎚方面へ続く県道12号線がついえる場所である上、すぐ上に四国でも数少ない天然雪のスキー場があるくらい雪の多い地区である。また最近は平日は一般入浴は受けていない(京屋のおばさん談)のでなかなかハードルは高いかもしれないが、どうせ訪れるのであれば、「山開き」のしていない2月から春先にほぼ貸切状態を狙っていくのがよいであろう。ただ、あまりにも不便なのか、最近はここからずっと下流の黒瀬湖畔にこの地からお湯を運ぶ観光会席旅館も出来たようである。しかし88箇所の目指すところは、湯元の源泉であるこの場所で、このいくぶん神がかった雰囲気の鄙びた温泉を利用してあげてこそ、その意味と価値がある。
近くのスポット 『四国酒蔵88箇所72番 日本心』 『四国酒蔵88箇所73番 御代栄』 『四国酒蔵88箇所74番 石鎚酒造』 『四国堰堤88箇所63番 志河川ダム』 『四国堰堤88箇所64番 黒瀬ダム』
|
「春先でも雪が残る。7月の「山開き」までは人もまばらである。(画像はクリックすると拡大します)」
春先でも雪が残る。7月の「山開き」までは人もまばらである。(画像はクリックすると拡大します)
「入り口は新しく手を入れているが使っていない。相変わらず横の食堂から上がりこむのがルールである。」
入り口は新しく手を入れているが使っていない。相変わらず横の食堂から上がりこむのがルールである。
「食堂奥の入り口。少々怪しい飾り物に埋もれた扉を開くと旅館である。」
食堂奥の入り口。少々怪しい飾り物に埋もれた扉を開くと旅館である。
「湯船は小さくて質素。余計なものは何もない。窓を開くと川である。(当初)」
湯船は小さくて質素。余計なものは何もない。窓を開くと川である。(当初)
「最近、浴槽にバブル装置をいれており湯質の低下が懸念されております。(2017年現在)」
最近、浴槽にバブル装置をいれており湯質の低下が懸念されております。(2017年現在)
|