湯の印象 B 秘境度 3
『温泉の世代交代』
このあたりは香川県では珍しく冬場になると雪が積もる。讃岐山脈の最高峰(といっても1059メートル)である『竜王山』と第二の『大山山』に挟まれた僻地であり、最近になって三頭トンネルが開通するまではほぼどん詰まりの、香川の人でも一生に1度訪れるか訪れないかの、まったく用事のない場所であった。
この地域には讃岐最古といわれた番外札所の『美霞洞(みかど)温泉』があり、まさに人を寄せ付けない隠れた秘湯として古来より愛されてきたのだが、トンネル開通により整備されて幹線国道となった438号線の道の駅として、最近この『エピアみかど』が完成した。エピアの湯は美霞洞温泉を湯元としていたのだが、新しい施設であるが故に本家の客を取ってしまい、結果として逆に分家のこちらが生き残ってしまったという少し複雑な由来の温泉である。しかしお湯はやはり「みかどの湯」だけあり近代化された設備とあいまって、ドライブの休憩所や付近の山歩きの汗流しの場として多くの来訪客を集めている。
このあたりから塩江にかけては香川では珍しく「そば」の食文化である。また美合に下ると昔から有名な硬い「岩豆腐」がある。一方、三頭トンネルを越えて徳島県美馬町に出るとうどんは讃岐うどんからかやくたっぷりの徳島の田舎うどんへと様変わりする。山中の県境の地区らしく古くからの興味深いものがあれやこれやと残っている面白い地域である。そのひとつであった『美霞洞温泉』を偲びながら、ぶらりぶらりの散策で疲れた身体を癒すのにも似合いの湯である。
近くのスポット 『四国酒蔵88箇所11番 司菊』 『四国堰堤88箇所4番 夏子ダム』 『四国堰堤88箇所番外3番 デ・レーケ堰堤』 『四国堰堤88箇所76番 満濃池』
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「国道438号線の徳島県との県境付近である。県境である三頭トンネルを越えると剣山が見える。」
国道438号線の徳島県との県境付近である。県境である三頭トンネルを越えると剣山が見える。
「館内にはお土産売店のほかレストランや宴会場まで備えるが宿泊施設はない。こんな山奥で宴会して帰りはどうするんだろう。」
館内にはお土産売店のほかレストランや宴会場まで備えるが宿泊施設はない。こんな山奥で宴会して帰りはどうするんだろう。
「きれいに整備されている中庭。」
きれいに整備されている中庭。
「温泉からは土器川支流の明神川辺の緑が見える。このあちりは隠れた紅葉の名所でもある。」
温泉からは土器川支流の明神川辺の緑が見える。このあちりは隠れた紅葉の名所でもある。
「道の駅付随のJA産直店で売られている「みまから」。ちかくのうどんの聖地『谷川米穀店』で使っている名物の辛子練り物と同じものである。」
道の駅付随のJA産直店で売られている「みまから」。ちかくのうどんの聖地『谷川米穀店』で使っている名物の辛子練り物と同じものである。
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